2013年8月7日水曜日

水の女神



ジィオデシック春夏コレクションのテーマは
「ブルーナイル、レッドサバンナ」です。


古代エジプトでは、睡蓮を「太陽の花」「水の女神」としてとても大切にし、壁画などに刻んでいました。
睡蓮の花は朝になると開き、夜の間は眠るように閉じていることから、太陽と結びつけられたそうです。
そのことにとても魅力を感じ、「ナイルの花嫁」と呼ばれた睡蓮をコレクションメインのモチーフに選びました。

















身に着けたときに睡蓮の花がぱっと開くような、あたたかく可愛らしいもの。
それが最初のデザインイメージでした。

睡蓮の、やわらかくみずみずしいフォルムを表現するためのオリジナルカットの水晶。
三つの丸がくっついたような形は、水面に浮かび重なり合う睡蓮の葉っぱの様子。
丸の中央に走る三本の稜線でナイル川の流れを表現しました。
石座は透かしで軽やかに。
石を通してK18の透かし文様が見えます。
腕は水面下でうねる茎や水の流れをイメージして自由なラインに、ポイントで浮かぶ睡蓮の葉はK18で。

完成したこのデザインはブルーナイルコレクションを象徴するものとして、ナイル川の合流地点の都市名から「ハルツーム」という名前になりました。

僕の実家には小さな池があり、そこで睡蓮を育てているのですが、先日葉っぱの隙間から可愛いふたご睡蓮が顔を出していて、思わず写真を撮りました。

池の中央スペースは空いているのに、なぜかいつも端っこに咲きます。

花はもちろんですが、葉っぱの微妙なうねりや、いびつな穴、つるつるとした質感など、自然のものは本当に美しくて眺めていて飽きません。


このふたご睡蓮のように、予想もしなかったことがある日突然起きるのも、自然ならではの面白さです。

日々の小さな感動をあつめて、かたちにしていけるといいなぁと思います。